《活動五日目》 ヘイブン海賊団の解散式!


 我々傭兵組織は、徳の為に戦うのではなく、金とクライアントの信用、同族への義によって戦っている。
 そのために徳に反する行為もあるかも知れないが、すべては傭兵としての仕事を全うする事として喜んで迎え入れようとも思っている。
 
 キャプテン・アリエルの率いるヘイブン海賊団の解散式の為、多くの海賊達がヘイブンでパーティーをするという情報を聞きつけた。現在敵対している傭兵団としては、その様な勝手な行動を許すわけがない。――これもお仕事。

【レポート1:ヘイブン海賊団
 多くの市民を魅了した、Mugenの海賊団。
 アリエルが率いていた海賊団であり、ヘイブンを中心に戦闘を展開していた。現在は活動停止。
 
 

 総勢が、何名か覚えていない。
 覚えている時には5隻居たので3名乗っていると考えて15名か?
 此処まで傭兵が増えると、相当の指揮力が必要だ。
 おそらく俺一人ではどうしようも無かった。
 もし、昨日の戦いが成功だと思う人間は、一重にドラビュア連隊長の力もあったことを、傭兵の皆の一人一人の力が有ったことにも感謝だ。
 何より、海を盛り上げる戦いをしている「海の上の御同胞達」にもだ。

 傭兵側としては、派手な戦いであるほど仕事も増えて嬉しいものだ。
 
 
 海戦が23:00からと聞いて、22:20にブリタニアに行動を開始した。
 ドラビュアの話だと22:00からとの事、其れを聞いた時には肝を冷やした。

 現場に到着しても、少し数が少ない。――まぁ、実際は23:00からだった。



●Sen1.斥候と部隊編成



 しかし、先に集まっている連中は22:00と考えていたので頭に血が昇ってどうしようもない感じだった。とりあえず、斥候船を組んで2隻、各々3名編成で海に出て貰う。
 オレは、しばらく陸上で中隊長達に指揮を出す係と、やってきた傭兵達の編隊を組ませる仕事をしていた。編入窓口が居ないと、駆けつけてくれた飛び込みの 傭兵達が完全にあぶれてしまうので頑張って連隊長の仕事だ。何とも面倒だが、オレが指揮系統をきれいにしないと他の奴らが安心して戦えねぇ。

 斥候に出ていたドラビュア連隊長からの「敵影大量に発見」との言葉が届いた。

 ちょうど運良く、傭兵のダレスがやってきたので、残存させていたRaven攻撃隊のカナリアを編隊させて海に出す。

【レポート2:中隊長 ダレス
 中隊長については、操船頭がなることになっている。
 3人ほどの兵士を纏めて、指示を与える役目。
 ダレスに付いてはAtw、JWGの両ギルドメンバーでもない急に飛び込んできた傭兵だが、オレは中隊長として信用をおいている。
 平素からちゃらんぽらんのオレと違って、鉄を口の中からぶち込んだ様な堅い口調の男だが、だからこそ信用できる奴だ。

 色々と、有志で海に出ている「個人営業」奴らもいるようだったので、色々と見ていたが、さすがに海賊。今回は、死亡撤退者数が非常に多い。
 得に一人乗りの「個人営業」の人間達は事如く真っ平らになって帰ってきている。

 しばらくすると、見慣れない名前のお嬢さんとボウズがうろうろとしている。
 この二匹のヒヨコちゃんは仕事に興味が有りそうだったので、話しかけてみた。

「お嬢ちゃん、キョロキョロしているけど物珍しいかいね?」

「はい、戦争ですか。友達に言われて見学にきました!」

 どうやら、違う国からやってきた観光者らしい。
 見学というモノだから、もっと近い場所で見学させてやろうと思い、ダレス中隊長を呼びつけ、この二人を乗せこんでやった。

「傭兵船に乗せてやらぁ! 死んでも文句ぁ、言うなよ!」

『はい!』

 と、気合いの入った返事が帰ってきたので、ダレスに任せて二人を戦地に送る。
 案の定、死体で返ってきたが、せめて、給料として1000GP位渡すんだったかもな。
 戦いの技能をあげる意義が出てきたので頑張ります! と、言っていたので、まぁいいかいね。


 しばらくしていると、傭兵のZigenが到着。

【レポート3:中隊長 Zigen
 操船士として雇った人間。基本は、中隊長として、仕事を任せている。
 実は、海賊からの薦めがあった。彼を雇った場所は、海賊の酒場。
 敵陣で、交渉するのは、なかなか疲れた。

 今日は操舵は辛いというので、「アリエルに約束したモノを届けるため」オレが出ることにした。途中で白いドレスの「個人営業」のお嬢さんをオレの船に編入して。


●Sen2.正面からの啖呵。

 二人に、アリエルにモノを渡すから、しばらく攻撃を辞めてくれ。と指示をだして、
 自分の船だけ単独行動をする。

 敵陣をかいくぐり、アリエルの姿が見えた時に叫んだ。
 一度だけの叫びだったが、案の定届いたようだ。
 相手の船が此方に反応して近づいてくる。

 しかし、混戦中だ。
 あっちこっちで、弓や爆弾が飛び交い、魔法が立ち昇る。
 オレの船も何度か攻撃を受けて、船員から「さすがに無理だ」という言葉が出たが、何とかアリエルの船に接近することが出来た。

 すぐさま中隊長達に、攻撃を辞めるように指示をした。
 海賊側からの攻撃もあったが、アリエルの方が止めてくれたようだ。
 今回ばかりは、派手に焦った。
 
 とっておきの9thワインをアリエルに渡して、軽い談笑。

【レポート4:9thワイン
 ウルティマ九周年の時、乞食スキルの高い者だけが手に入れれた特殊なワイン。譲って貰い、そのまま冷暗室に貯蔵していた。
 このとき、焦って安物のワインを渡してしまった。(しかも半分飲んでた)

「良くもまぁ。こんなに派手に」

「まっ、派手なのが好きなんでね、んじゃ、とりあず――」

「コレより我々は殺し合いにはいる。
 三分後に攻撃船として、本船が戦いに加わる」


 そう言い放ち、安全海域まで撤退。
 実際は、かなりやばい気持ちだった。
 何度か積み荷の受け渡しに失敗もしたからな。


●Sen3.傭兵達の海戦


 三分経ち出陣。
 途中で、元バルド海賊団の筆頭である、キャプテン・ザキの姿を見かけたとの連絡があったので、オレはすぐさま各中隊長に連絡をした。

【レポート5:黒髭 キャプテン・ザキ
元最大手海賊団BIPを率いる頭領。
まさしく海賊という、海賊の格好をしており、
海賊と大海原を愛する海の男。正直、その説明に限る。



「船長クラスを落とした奴には、オレがワインをおごってやるぜいッ!」

 しばらくしたら、撃沈の言葉。
 どいつが、首級をあげたと思ったら――


連隊長「ドラビュアだが、ウチの船が敵船長を落とした!」

オレ「ドラビュア、おめーには、おごらねーよ!」

中隊長「ひでぇ!!」


 等と、心温まる中隊長、双連隊長との心の絆。 


 一旦、攻撃の手が休まったので寄港。
 疲れた傭兵連中は、さっさと休ませて、再編隊を組む。
 このときは、いつも海賊達が海から話しかけてくる。


 ちなみに、オレは狙われていたらしい。連隊長の首は価値があるらしい。
 連隊長なんて、なるもんじゃねぇと、つくづく思った。





 今回は、一度死んだが、バラクーダ海賊団の船長であるツナミ、ヘイブン海賊団のアリエルの首級は、ちゃっかり貰っておいたぜ。
【レポート6:居眠り鮫 ツナミ
Mugenの最古参の海賊団バラクーダを率いる海の猛者。
浦島太郎のように、現世においていかれる事がある。
海のシステムについては一番理解が深く、経験もある。
何より、ギルドメンバーが古くから共にいるため、連携が凄まじい。



 ヘイブン海賊団の解散式だけ有って、今回の戦いはかなり疲れたぜ。今回はこちらが押されていたと思う。死亡者数が半端無かったからな

【レポート5:現代における傭兵のイメージA
 実は、傭兵団は、実力や教養を必要としやすい。
 それは、企業として生きていくためだ。幾ら営業マンが多くても、事務がいなければ企業としては成り立たない。

 傭兵団には、村の学校教師などが、傭兵の募兵に多く参加していた事実もある。貨幣の価値が下がった時に固定給である彼らは度々、傭兵団に参加している。
 彼らは算数や等の数字に強く、知識があるために、連隊書記官や中隊会計官などの役職に多く付き、傭兵達の給金や備蓄の事などマネジメントを大きく手助けをしたりもしている。
 学費が乏しい学生達も、傭兵に参加したと思われている。当時は裕福な家庭でしか学術を学べないので、それなりの毛並みが保証される。其れが保証されると、生まれというモノが強い社会だったので、下士官や下級将校として抜擢されたようだ。
 冬には戦争は無いものなので、学徒の場合は、冬に中隊を離れて再び学徒としての生活を始めるのだ。夏に得た収入を手に…。
 
 つまりは、無教養な乱暴者ではなく、博識のあるインテリな傭兵者も、非常に多く居たのだ。

 傭兵というのは、どちらかといえば今の派遣バイトの感覚に近い。金のない大学生がしていることもあれば、家を持たず明日からの生活に困って日雇いで食いつないでいるモノもいる。
 その傭兵団の専属となって、屋台骨を支える「古参兵」もいる。
 しかし、本日の日雇いの派遣バイトの仕事の規律が破綻してないように、多くの傭兵達の規律も破綻していなかったのである。
 まぁ、問題は、仕事は仕事なので、正規兵が出来ない糞仕事もキッチリとやってのける部分が「乱暴」な部分とも言えるだろう。

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